paizo社が発売しているスペースファンタジーロールプレイングゲーム、StarfinderRPGのシステムリファレンスドキュメントを日本語翻訳していくページです。有志の翻訳者募集しています!

宇宙の深淵は経験豊富な乗員にとって危険だが、星をさすらう準備が不十分な者にとって、より致命的となる可能性がある。 惑星を破壊するブラックホール、目に見えない放射帯、混沌とした流星の嵐がどの星系でも見つかる。 しかし、君が星々の間で遭遇する可能性がある全ての危険のうち、敵対的な船との遭遇の方がはるかに一般的だ。 次のルールは、スターシップ間の戦闘を管理するために使用する - まれに宇宙を飛行する巨大生物との間の戦闘も扱う。


役割(ROLES)

スターシップの乗員は、それぞれの役割を担い、行動することができる。 ほとんどの役割は複数で、各ラウンド毎にアクションを実行できるが、ある役割では1人でその役割を満たすことができ、1つの役割ごとに1ラウンドに1回だけ実行できる。 君の役割によって、君が戦闘中に行なえるアクションも決まる。 スターシップ戦闘では以下の5つの役割が使用される。 船に乗ったとき、君はいずれかの役割を宣言する必要がある(君が乗客と宣言している場合は、役割を担うまで特別な行動は取らない)が、戦闘の節目で役割を変えることができる(322ページ参照) 。 スターシップ用語、星系、およびステータス・ブロックの情報については、「スターシップの構築」(291ページ)を参照の事。

キャプテン(Captain)

戦闘での君の役割は、敵を嘲って重大なミスをさせたり、仲間の乗員を励ますことだ。スターシップはキャプテンを1人だけ持つことができ、現在それが空席になっている場合にのみ、キャラクターはその役割を担うことができる。 キャプテンだけは、戦闘のどんなフェイズにでもアクションを取ることができる。キャプテンが取ることができるアクションは、322pから説明する。

エンジニア(Engineer)

スターシップのパワーコアとエンジンを使用して、その効率を最大限に高め、必要な時に余力を与え、必要に応じて重要な装置に動力を供給することができる。 また、損傷した装置を修復することもできる。スターシップは何人ものエンジニアを持つことができる。 エンジニアは技師フェイズで行動できる(317ページ参照)。 エンジニアが実行できるアクションについては、323ページから説明する。

ガンナー(Gunner)

スターシップを無力化したり破壊したりするために、宇宙船のさまざまな兵器配列を操作する。スターシップは、武器1つにつき最大1人のガンナー(またはガンナー・チーム)が担当ができる。砲撃フェイズ中にガンナーは行動できる(317ページ参照)。ガンナーが実行できるアクションについては、324ページから説明する。

パイロット(Pilot)

パイロットは船の進路を策定する。 各スターシップには速度と操縦性の格付けがあるが、十分な技能があれば君はスターシップをこれらの限界を越えて動かすことができる。スターシップにはパイロットが1人しかいないことがあり、空席であればキャラクターがその役割を担うことができる。パイロットは、戦闘の操舵フェイズ中に行動する(317ページ参照)。 パイロットが取ることができるアクションについては324ページから説明する。

サイエンス・オフィサー(Science Officer)

スターシップのコンピュータ、スキャナー、その他の装置を使用して脅威を特定し、敵を標的にし、危険を回避する。スターシップでのサイエンス・オフィサーの数に制限は無い。サイエンス・オフィサーは戦闘の操舵フェイズ中に行動する(317ページ参照)。 サイエンスオフィサーが取ることができる行動は、324ページから説明する。

最大乗員、最少乗員

スターシップの基本フレームによって、その船を運航するために必要な最大乗員、最小乗員が決定する。 最小乗員に満たない人数でスターシップを飛ばすことはできない。 しかしNPCのスターシップが宇宙戦闘に入ったときは、全ての乗員が毎回のアクションを実行したりはしない、ラウンドの解決に何時間もかかるだろう!このような場合、大型以上のスターシップでは通常、ほとんどの役割をチーム全体で分担しているかのように扱う。その役割におけるアクションとそれを支援する乗員の数は、スターシップのステータス・ブロックに書かれている役割の名前の後ろに記載されている。この数はスターシップによって異なるが、いくつかの船では1つの役割につき多くの乗員が存在して、複数の行動が可能な場合がある。例えば、ドレッドノートには複数のエンジニア・チームやガンナー・チームが存在する可能性がある。

スターシップ戦闘の準備

スターシップ戦闘では、戦闘に関わるコマをヘクス上に置いて行なわれる。 スターファインダー・フリップマット:基本的なスターフィールドと、スターファインダー・コアルールブック・ポーンコレクションのスターシップ・ポーンは、ゲームのこの部分に最適なアクセサリーを提供する。
スターファインダーの3次元空間での移動と戦闘は、リアルさよりもストーリー性を重視して描写しているため、ヘクスは特定の距離を表すものでは無い。特別の指定がない限り、各船はそのサイズにかかわらず1ヘクスを占有するものとする。

スターシップ戦闘の開戦

スターシップの乗員が別の船に向けて敵意を向けるなら、彼らは戦場に赴いて、スターシップのターゲットシステムを作動させるだろう。これはセンサーが作動中である限り付近の他のスターシップには明確に分かる、GMが許可するなら、敵対的な船を会話によって言い負かす可能性もあるだろう。
通常GMは、スターシップ戦闘がいつ始まるか、戦闘を行なう船がどこにあるか、スターシップがどの方向を向いているかを決定する。 これは戦闘マップの端と端で互いに向き合っていることを意味するかも知れない。しかし、それらの相対的な位置と向きは、ランダムに設定することもできる。3d6+5をロールして、相対的な距離としてどの程度のへクスが互いの間にあるかを決定する。いずれかの側が複数のスターシップで構成されている場合、この距離は、戦闘の一方の側の最も近いスターシップと、もう一方の最も近いスターシップとの間の距離となる。それ以外のスターシップは、同胞のスターシップの3ヘクス以内に配置しなければならない。次に各スターシップのグループは1d6をロールして、そのグループのスターシップの向きを決定する。スターシップの向きは出目1をグリッドの上方向と見なして、以降2から順に6までを時計回りにして向きを決定する。

ラウンドとフェイズ

キャラクター同士の戦闘のように、スターシップ戦闘では、一方が逃げたり、降伏したり、そうでなければ敗北するまで、いくつかのラウンドにわたって続く。 キャラクター間の戦闘のラウンドとは異なり、スターシップ戦闘のラウンドは特定の時間経過を示すことがない。 スターシップ戦闘の各ラウンドは3つのフェイズに分割され、順番に解決される。スターシップに搭乗する各キャラクターは、通常、スターシップの役割に応じて、これらのフェイズのいずれかで1回のアクションを実行する。

1.技師フェイズ(Engineering)

エンジニアは、スターシップの装置を修繕したり、1つ以上の装置を強化することができる。これらのアクションは同時に起こるため、任意の順番で解決できる。

2.操舵フェイズ(Helm)

各スターシップのパイロットは<操縦>判定を試みる。最も低い結果を出したパイロットからスターシップを移動させ、全てのスターシップが移動を終えるまで、その手順を繰り返す。この判定は各ラウンドの操舵フェイズ毎に繰り返し判定するため、移動の順番はラウンド毎に変わることがある。もしスターシップにパイロットの役割をする者がいなければ、そのスターシップは<操縦>判定の結果が0であるかのように扱う。判定の結果が同じであれば、<操縦>技能のランクが少ないパイロットからスターシップを移動させなければならない。それも同じである場合は、そのパイロット同士で<操縦>判定をもう一度行ない、結果を比較する必要がある。その結果が最も低いパイロットが最初に移動する。
スターシップを移動させるとき、パイロットは追加の技能判定によってアクロバティックな操縦を試みることで、船が持っている本来の性能を超えて推進することができる。
また、このフェイズでサイエンス・オフィサーの役割を担うキャラクターは、スターシップの装置を使って敵船を対象にスキャンすることができる。サイエンス・オフィサーは、パイロットの操縦の直前または直後に行動しなければならないが、行動の順番は話し合って決めることができる。

3.砲撃フェイズ(Gunery)

砲撃フェイズでは、ガンナーはスターシップに搭載されている武器で砲撃する。砲撃順は、このラウンドの操舵フェイズにおけるパイロットの行動順と同じとなる。砲撃よって、このフェイズ中に障害が起きたり破壊されたりするだけの十分なダメージを被ったとしても、フェイズが終了するまではダメージの影響を考慮しない。これは全てのスターシップの砲撃が行なえることを意味する。
全てのフェイズが解決された後も、まだ戦闘を継続しようとする攻撃者がいる場合、次のラウンドが始まり、新たに技師フェイズから始める。

移動

スターシップのパイロットには、冷たく広大な宇宙を通り抜け、スターシップを導くためのさまざまなアクション(324ページ参照)がある。
キャラクター間の戦闘とは異なり、スターシップは特定の方向を向いている。これによって移動や防御の方向や、攻撃の射界が決まる。

速度

スターシップの速度は通常、1ラウンドで移動できるヘクスの数を表す。 パイロットの判断によって、この速度よりも少ない数のヘクスを移動することもできる。 この移動は、スターシップが向いている方向に対して直進するが、スターシップは移動しながら旋回して向きを変更することができる(下記参照)。スターシップの最高速度は、スターシップの操縦判定に修正を与える。
速度<操縦>修正値
4以下+2
6+1
8〜10
12-1
14以上-2

旋回

移動する間、スターシップは旋回して前進する向きを変え、射界に対して砲撃し、シールドを展開できる。 1回の旋回はスターシップの向きを前方から60度、左右どちらかの辺に対して向きを変更する。各ラウンドにおいてスターシップが旋回するためには、その操縦性によって決まる一定の数のへクスを移動させなくてはならない。(下の表参照) 例えば、操縦性が標準の船は最低でも2へクス前進しなくては旋回ができず、その後も常に最低2へクスを前進しなくては旋回できない。スターシップが完璧な操縦性を持っているなら(旋回に必要な距離は0)、船は前進するたびに2回の旋回ができる。スターシップが1ラウンドに実行できる旋回の回数は、速度と操縦性によって制限されており、旋回そのものはスターシップの移動速度としてカウントされない。例えば、標準的な操縦性を持つ速度8の船は、前進しながら1ラウンドに計4回の旋回ができる。また、船の操縦性はパイロットの<操縦>判定に修正を加える。
操縦性旋回に要する距離<操縦>修正値
劣悪4-2
貧弱3-1
標準2±0
良好1+1
完璧0+2

他のスターシップを通過する

スターシップ戦闘のへクスは3次元的な距離を表すものではないため、君のスターシップは他のスターシップがあるへクスを通過することができるが、その場所で移動を終了することはできない。スターシップが敵のスターシップを含むへクスを移動する場合、敵のスターシップは通過中のスターシップに対して任意の武器で攻撃を加えることができる。このフリーアタックに対しては、敵スターシップの乗員のアクションによる迂回[Divert]や、ロック・オン[Lock on]といった追加ボーナスの恩恵は受けられない。この攻撃はガンナーの役割を担うキャラクターが実行できる。
誰もガンナーの役割を担っている者がいない場合、その敵スターシップはフリーアタックを行なうことができない。また、このフリーアタックに使用した武器は、それ以後のフェイズで通常通り使用することができる。

スタント

通常の移動の代わりに、パイロットはスターシップでスタントを試みることができる。(324p パイロット・アクションも参照のこと) スタントによっては、スターシップのアーマー・クラス(AC)とターゲット・ロック(TL)に影響を与える。
バック・オフ[Back Off]
スターシップは向きを変えず、船尾の方向に対して半分までの速度で後退する。この移動中、スターシップは旋回できない。このスタントを実行するには、<操縦>判定 (DC = 10 + 1.5 × スターシップのTier)に成功しなくてはならない。判定に失敗した場合、君のスターシップは1へクスだけ後退する。この判定によって5以上の差で失敗した場合、スターシップは移動が行なえず、次のラウンド開始時までACとTLに-4のペナルティを被る。

バレル・ロール[Barrel Roll]
スターシップは半分までの速度で移動し、その進行方向に沿って左右反転する。 次の砲撃フェイズでは、スターシップの左舷シールドと武器はあたかも右舷射界のように機能し、その逆も同様となる。 次のラウンドの開始時にスターシップは正常な状態に戻る。このスタントを実行するには、君のスターシップが大型か小型でなければならず、<操縦>判定 (DC = 10 + 1.5 × スターシップのTier) に成功しなくてはならない。判定に失敗した場合、スターシップの速度は半分になるが、反転はしない。この判定によって5以上の差で失敗した場合、スターシップは半分の速度で移動し、反転せず、次のラウンド開始時までACとTLに-4のペナルティを被る。

アヴェイド[Evade]
船は通常の速度通りに移動して旋回もできる。加えて、次のラウンド開始時までACとTLに+2のボーナスを得る。このスタントを実行するには、<操縦>判定 (DC = 10 + 1.5 × スターシップのTier) に成功しなくてはならない。判定に失敗した場合、スターシップは通常通りの速度で移動できる。この判定によって5以上の差で失敗した場合、スターシップは通常の速度で移動できるが、次のラウンド開始時までACとTLに-4のペナルティを被る。

フリップ・エンド・バーン[Flip and Burn]
船は旋回することなく半分までの速度で前進し、移動の終わりに船尾に向かって振り向くように180度反転する。このスタントを実行するには、<操縦>判定 (DC = 15 + 1.5 × スターシップのTier) に成功しなくてはならない。判定に失敗した場合、スターシップの速度は半分になるが、反転はしない。

フライバイ[Flyby]
船は通常の速度通りに移動するが、敵のスターシップが占めるヘクスを通過してもフリーアタックを受けない。 (他のスターシップを通過するを参照) 次の砲撃フェイズでは、敵のスターシップが近くにいるかのように、任意の武器による1回の砲撃を任意の射界からの砲撃として攻撃を行なうことができる。このスタントを実行するには、<操縦>判定 (DC = 20 + 1.5 × スターシップのTier) に成功しなくてはならない。判定に失敗した場合、スターシップは先に決めた通りに移動するが、攻撃の際は通常のルールに従うと共に、敵スターシップからのフリーアタックも通常通り受ける。

スライド[Slide]
スターシップは、前左舷または前右舷のいずれかの前斜め方向に、向きを変えずに通常の速度で移動できる。このスタントを実行するには、<操縦>判定 (DC = 10 + 1.5 × スターシップのTier) に成功しなくてはならない。判定に失敗した場合、スターシップは半分までの速度で前進できるが、旋回することはできない。

ターン・イン・プレイス[Turn in Place]
船が移動しない代わりにどんな方向にも旋回することができる。 船の操縦性が[劣悪]である場合、次のラウンドの開始時までACとTLに-4ペナルティを被る。 操縦性が[貧弱]であるなら、次のラウンドの開始時までACとTLに-2ペナルティを被る。 [標準]以上の操縦性を持つ船であれば、ペナルティを受けない。 このスタントは技能判定を必要としない。

へクス

スターシップ戦闘のヘクスが持つ6つの辺は、そのヘクス上のスターシップの向きに関連して、それぞれ異なる名称を持つ。 スターシップが向いている辺は前方で、後方はその反対側となる。前左舷および前右舷の辺は、スターシップの前方の辺に隣接する2つの辺であり、それぞれ左および右がある。 後左舷および後右舷の辺は、スターシップの後方の辺に隣接する2つの辺であり、それぞれその左および右がある。


攻撃

あるスターシップが別のスターシップに対して武器で攻撃するなら、そのアクションは砲撃判定で解決される。操舵フェイズで決定した順番で、砲撃フェイズにおける戦闘中の攻撃が行われるが、すべての攻撃が終わった後で被害と致命的なダメージ効果 (321p参照) が適用される。 (同じ砲撃フェイズで起こった攻撃によって破壊されたり、不具合が起きたとしても、すべてのスターシップが攻撃を行なう) 非常にまれな例外を除いて、スターシップのそれぞれの武器は、1ラウンドに1回だけ発砲することができる。攻撃は以下の手順で行なう。

射程と射界

まず2つのスターシップ(ヘクスで数える)の間の距離を数える。目標がいる射界に向けて、使用する武器の射程を超えるごとに、砲撃判定には-2のペナルティが累積する。攻撃側のスターシップは、その武器が受け持つ射界にいる目標に対して砲撃ができる。目標のスターシップが2つの射界(図の影付きヘクス)にまたがるヘクスにいる場合、ガンナーはどちらの射界の武器を使うかを決定する。それはつまり、2つの射界の両方の武器を使って標的にすることができないことを意味する。

砲撃判定

目標に対して発砲するとき、各々の武器の砲撃判定を試みる。(連動した武器は1つのアクションと1回の砲撃判定で解決される。301pのサイドバー参照)
砲撃判定 = 1d20 + ガンナーの基本攻撃ボーナスまたはガンナーの<操縦>技能ランク + ガンナーの[敏捷力]修正値 + 船のコンピュータによるボーナス + キャプテンまたはサイエンス・オフィサーによるボーナス + 射程ペナルティ

結果の裁定

使用している武器に応じて、砲撃判定の結果を目標のアーマークラス(AC)またはターゲット・ロック(TL)と比較する。直接射撃による攻撃で(303p参照)、砲撃判定の結果が目標のAC以上である場合、目標に命中し、ダメージは通常どおり解決される。(以下のダメージを参照)目標のACは、次の式を使って決定する。
AC = 10 + パイロットの<操縦>技能のランク + 船の装甲ボーナス + 船のサイズによる修正値 + 成功または失敗したスタントによるボーナスまたはペナルティ

もし攻撃がミサイルランチャー(303p参照)のような追尾武器で行なわれ、砲撃判定の結果が目標のTL以上あった場合、追尾武器からの発射物は目標に向かってその速度に等しい移動が行なわれる。 (その発射物は[完璧]な操縦性を備えている) その移動が終了するまでに目標に到達したなら、爆発してダメージを与える。(以下のダメージを参照)そうでない場合は、次の砲撃フェイズの開始時に新たに砲撃判定を試み、発射物が目標に向かって移動し続けられるかを判定する。その場合、前のラウンドで受けた、船のコンピュータや仲間からの支援を、引き続き現在のラウンドにおいても受け取ることはできない。何にせよ敵サイエンス・オフィサーの対抗措置改善のアクション(325p参照)などにより、ペナルティを受けることは考えられる。追尾武器の砲撃判定の結果が目標のTLよりも低い場合、その武器の発射物は破壊され、ゲームから取り除かれる。目標のTLは、次の式を使用して決定する。
TL = 10 + パイロットの<操縦>技能のランク + 船の防御対策ボーナス + 船のサイズによる修正値 + 成功または失敗したスタントによるボーナスまたはペナルティ

ダメージ

宇宙での戦闘は船とその乗員にとって非常に危険だ。スターシップが破損したとき、重要な装置が誤動作したり、あるいはシャットダウンして、動力、重力、または空気の損失を乗員にもたらす。このようなダメージにより、スターシップのセンサー、推進装置、兵器配列を失う可能性があり、そのままにしておけば敗北を期する原因となる。
 ガンナーによる攻撃が命中したなら、使用している武器によるダメージをロールし、標的とするスターシップのどの方向から命中したかを決定する。スターシップのシールドが展開される射界は、砲撃の射界と同じだ。(318pの図を参照)ダメージは、対象のスターシップが攻撃によって撃たれた射界にあるシールドが最初に適用され、ダメージの量に等しい数のシールド・ポイントを減らす。その射界のシールド・ポイントが0に達すると、そのシールドは完全に無くなり、それを超える余分なダメージは対象のスターシップのハール・ポイント(HP)に適用される。船がシールドを持っていない場合、またはその射界のシールドがすでに無くなっている場合、すべてのダメージを対象のハール・ポイント(HP)に直接適用する。
 もしスターシップにダメージ境界値(292p参照)がある場合、ハール・ポイント(HP)に与えられたダメージがダメージ境界値(DT)以下の場合、船にダメージを与えない。もし与えられたダメージがダメージ境界値(DT)よりも大きい場合、ダメージの全てがハール・ポイント(HP)に与えられる。
 もし船のハール・ポイント(HP)が0以下に減った場合、無力化され、修理、救助、あるいは破壊されるまで、半分の速度で現在向いている方向を前進し続ける。このような船に乗っている乗員は、生命維持装置が破壊されない限り、即座に危険な状態とはならないが、船を修理する方法が無ければ最終的に飢えと渇きによって死んでしまうかもしれない。
 もし船のハール・ポイント(HP)の2倍を超えるダメージを受けた場合、もはや修理はできず破壊されてしまう。全ての装置が機能しなくなり、危険な状態となる。乗員は、初めこそ生き残ったかもしれないが、何らかの保護が無ければ、長く生き延びることはできないだろう。

クリティカル

スターシップの装置が重大な被害を被り、機能が低下し、最終的には動作を停止する。 そのようなクリティカル・ダメージは、砲撃ロールの結果で20の出目が出たときや、ダメージが対象の船の船体に与えられると発生する。もし目標のスターシップがターゲット・システムのサイエンス・オフィサーのアクション(325p参照)に成功している場合、クリティカルの範囲は出目19〜20に拡大される。
 クリティカルは、対象となるスターシップの船体がダメージを受けたことで、ダメージの総量がクリティカル境界値(292p参照)を超えるか、その境界値の倍数を超えた場合にクリティカルを発生させる。例えば、100のハール・ポイント(HP)と、20のクリティカル境界値(CT)を持つスターシップは、そのハール・ポイント(HP)へのダメージ総量が20、40、60、80、および100ポイントを超えるたびにクリティカル・ダメージを被る。このスターシップに対してのクリティカルは、1つ1つの攻撃が20ダメージを超えたかで判断するものではない。あくまで受けたダメージによって、スターシップに対する総ダメージ量がクリティカル境界値(CT)の倍数を超えたかどうかで判断する。
 スターシップの総ハール・ポイント(HP)が0未満であっても、スターシップはクリティカルを受ける可能性はある。
シールド
スターシップは、その攻撃によって船のハール・ポイント(HP)にダメージを受けた場合にのみ、クリティカルが生じる。砲撃判定において出目20が出ても、攻撃によるダメージがスターシップのシールド・ポイントを減少させただけなら、クリティカルは発生しない。
クリティカル効果
クリティカルが与えられた場合、攻撃側のPCは以下の表を参照して、対象のスターシップのどの装置に当たったか? ランダムに決定する必要がある。 その装置は、クリティカル状態(下記参照)を被り、その効果は表に記載されている。 装置がまだクリティカルを受けていない場合、まずは不具合[Glitching]状態になる。再びクリティカルを受けた場合、クリティカル状態は1段階、重大なものに変化する。(まず不具合が生じ、機能障害となり、大破となる)これらの条件と乗員のアクションに対する影響は、「クリティカル状態」にて説明する。
影響を受ける装置を決定するために、d%をロールして、以下の表を参照する。装置がすでに大破状態である場合(または武器配列の場合、すべての射界の武器が大破状態になっている場合)、チャート上の次項に並んでいる装置にクリティカルを与える。それによりチャートの一番下に達したなら、代わりに乗員の1人がダメージを被る。(下記参照)
d%装置効果
1〜10生命維持キャプテンの全てのアクションに影響する
11〜30センサーサイエンス・オフィサーの全てのアクションに影響する
31〜60兵器配列武器が搭載された射界をランダムに選ぶ; ガンナーはその射界で使う武器全てのアクションに影響する(砲塔は全ての射界に含む)
61〜80エンジンパイロット全てのアクションに影響する
81〜100パワーコアエンジニアの全てのアクションに影響する; 機能障害や大破したパワーコアは、他の乗員のアクションに影響する(下記、クリティカル状態を参照)
乗員への被害
スターシップのパワーコアが大破し、さらにクリティカルがパワーコアに与えられた場合、クリティカルは船に適用されない。 代わりにランダムで決定した乗員の1人が負傷し、攻撃によって処理されたハール・ポイント(HP)へのダメージに等しいヒット・ポイントダメージを被る。(スターシップの武器で、人を標的とした場合のダメージ増加ルールは適用しない。292pスターシップによる射撃を参照) その乗員はDC 20の反応セーヴに成功することでダメージを半減できる。

クリティカル状態

クリティカル状態とその影響を、より軽い方から順に以下に示す。これらの効果は主にスターシップ戦闘で適用され、非戦闘時にはほとんど影響しない。(例えば、大破したエンジンを使ってスターシップを修理するための安全な場所まで移動することは可能だが、GMは通常よりも時間がかかると判断するかもしれない)
不具合[Glitching]
その装置で不具合が起きて、十分な性能が発揮できない。その装置を含んだ乗員のアクションは -2 ペナルティを受ける。(エンジニアの保守[Hold it together]と修繕[Patch]を除く。323p参照)
機能障害[Malfunctioning]
機能障害となった装置を制御することは困難だ。その装置を含んだ乗員のアクションは -4 ペナルティを受ける。(エンジニアの保守[Hold it together]と修繕[Patch]を除く。323p参照)また、乗員はその装置を使用してプッシュ[Push](322p参照)を行なうことができない。パワーコアが機能障害を起こした場合、パワーコアに関係しないスターシップの乗員すべてのアクションは -2 ペナルティを受ける。このペナルティは、他の装置に影響を及ぼしているクリティカル状態によるペナルティと累積する。
大破[Wrecked]
その装置は大破し、最低限の機能しか持たない。その装置を含んだ乗員のアクションは自動的に失敗する。(エンジニアの保守[Hold it together]と修繕[Patch]、乗員のマイナーアクションを除く。326p参照)パワーコアが大破した場合、パワーコアに関係しないスターシップの乗員すべてのアクションは -4 ペナルティを受ける。このペナルティは、他の装置に影響を及ぼしているクリティカル状態によるペナルティと累積する。

シールドの復元とダメージの修復

スターシップ戦闘の遭遇が終了したとき、スターシップが破壊されず捕獲もされていなければ、スターシップのダメージを修理することが可能だ!シールドは、スターシップのパワーコアが破壊されてない限り、一定の速度でシールド・ポイントが回復する(シールドのタイプ。302p参照)。この再充電率は、1分かけて<エンジニア>判定(DC = 15 + 1.5×スターシップのTier)に成功すれば、10分間に回復できる量を2倍に増やすことができる。この判定には、クリティカル状態によるペナルティが適用される。
 10分かけて<エンジニア>判定を行なえば、装置に対するクリティカル状態を取り除くことができる。DCは状態の重大さによって決まる(不具合の場合はDC 15、機能障害の場合はDC 20、大破の場合はDC 25)。成功すれば、装置はもはやクリティカル状態では無くなり、正常に機能するようになる。
 船体のダメージを修復する(失われたハール・ポイント(HP)を復元する)ことはより困難だ。君はまずスターシップを完全に安全な場所(例えば、敵勢力圏外の世界や宇宙ステーションのドックなど)で完全に停止しなくてはならない。修復するキャラクターは船体の外に出る必要がある。ほとんどのパクト・ワールドでは、乗員はスターシップを修理するためにメカニックへの支払いを行なうが、必要なコストと時間はGMが決定する。もし未知の領域に孤立している場合でも、乗員によってスターシップの船体を修復することは可能だ。そうするなら、修復するダメージ・ポイントにつき10個のUPB(233p参照)が必要となり、修復するポイント数にかかわらず5時間の作業が必要となる。もしキャラクターが<エンジニア>判定(DC = 15 + 1.5 × スターシップのTier)に成功させたなら、コストまたは時間を半減できる。そしてDCによる判定結果が10ポイント上回るごとに、コストまたは時間を半減させ、最低1ポイント当たり1 UPB、作業時間1時間までを限度に消費を抑えることができる。任意の数の仲間が、この<エンジニア>判定を支援するため、他のアクション(133p参照)を使用することもできる。もし時間またはコストを削減するための判定に失敗したなら、ダメージ・ポイントあたりのコストが 5 UPBだけ増加する。

スターシップ戦闘における他のアクション。

役割によって、スターシップ戦闘の遭遇中に取ることができる行動が決定するが、時として呪文を唱えたり、クラス特徴を使用したりなど、その他のアクションを実行することもできる。 GMは君が取ることができるアクションについて最終的な判断をするが、通常は1ラウンドにつき移動あるいは標準アクションのどちらかを取ることかでき、そのラウンド中にマイナーな乗員アクション(326ページ参照)も取ることができる 。 スターシップ戦闘中は、君の仲間のいずれかに対して隣接しているとはみなされないため、能力や呪文で対象に影響を及ぼすために、味方に近付くために追加のラウンドが必要になると判断されるかもしれない。 このようなアクションは、ラウンド開始時、技師フェイズの前に解決される。

乗員のアクション

スターシップ戦闘の進行に沿って、それぞれの船に乗っている様々な乗員が、それぞれの役割に応じたアクションを実行することができる。

アクション

君はスターシップ戦闘の1ラウンドにつき1回のアクション(通常は君の役割によって決まる)を取ることができる。特定のアクションでは、特定の技能において最低のキャラクター・レベルまたはランク数を必要とする。NPCの乗員は、スターシップのTierに相当する適切な技能のランク数を持っているとみなされる。クラス特徴およびアイテムは、それぞれのクラス特徴またはアイテムに特別に記載されている場合のみ、乗員のアクションに影響する。もしスターシップのTierが1未満の場合、それは1と見なす。
プッシュ(Push)
プッシュ(アクションの見出しに示される)は実行するのが難しいが、より大きな結果をもたらす可能性がある。 必要な装置が機能障害または大破している場合、プッシュは実行できない(321pの「クリティカル状態」を参照)。

役割の変更

役割は変更することができるが(まだ役割を担っていない場合には役割を担う)、この変更はラウンドの開始時、技師フェイズの前に行なわなくてはならない。キャプテンまたはパイロットの役割に変更する場合、その役割が空席のときだけ(またはその役割のキャラクターがアクションを実行できない場合)、その役割に変更できる。

スターシップ戦闘のリゾルブ

戦闘に関して熟練するに伴って、高度な乗員アクションに役立つ追加のリゾルブを得ることができる。8レベルまたは16レベルに達するごとに、スターシップ戦闘の遭遇開始時に1点のリゾルブ・ポイントを得る。これらのポイントは通常のリゾルブ・ポイントの上限を超えることができる。このようにして得られた未使用ポイントは、遭遇の終了には失われる。

キャプテン(Captain)のアクション

キャプテンは、君のキャラクターレベルに応じた次のいずれかのアクションを戦闘中に実行できる。
要請(任意のフェイズ)
乗員に要請を行ない、能率を向上させることができる。 君は<威圧>(DC = 15 + 1.5×スターシップのTier)に成功することで、その後に行なわれる特定の判定1回に対して+4のボーナスを与える。この効果を使うときは、それを使用する判定でダイスをロールする前に使用しなくてはならない。各キャラクターは、このボーナスを1回の戦闘につき1回だけ使用することができる。NPCが要請を使用した場合、それが悪影響を及ぼして君自身の要請が行なうことができなくなる
激励(任意のフェイズ)
他の乗員が行なうアクションにボーナスを与えるよう、激励することができる。対象となる乗員が行なうアクションと同じ技能を使用してDC 10の判定に成功したなら、その対象が行なう判定に+2のボーナスを付与する。これは援助(133ページ参照)と同じように機能する。 あるいは、<外交>判定(DC = 15)に成功することで、同じようにボーナスを与えることができる。 また、君は自分自身に対して激励を行なうことはできない。
挑発(任意のフェイズ)
敵の船に対して、通信システムを使った侮辱的なメッセージを放送できる。敵の船との戦闘フェイズ(技師フェイズ、操舵フェイズ、砲撃フェイズ)を選択してから、<はったり>または<威圧>判定(DC = 15 + 1.5 × 敵スターシップのTier)を試みる。君が成功した場合、選択されたフェイズ中に行動する各敵キャラクターは、1d4ラウンドの間、全ての判定に-2ペナルティを被る。敵の判定がプッシュのアクションだった場合、ペナルティは-4に増加する。 ひとたび敵のスターシップに対して使用したなら、その結果にかかわらず、同じ戦闘中に再びそのスターシップに対して挑発することはできない。
指令(任意のフェイズ)
6レベルに達すると、他の乗員が行動するフェイズの開始時に難易度の高い技能判定に成功することで、乗員の1人に対して追加のアクションを与えることができる。これにはリゾルブ・ポイント1点を費やす必要がある。
判定のタイプは、サイエンス・オフィサーなら<コンピュータ>判定、エンジニアなら<エンジニアリング>判定、ガンナーなら<砲撃>判定(320ページ参照)、パイロットなら<操縦>判定など、対象となる乗員の役割によって異なる。 この判定のDCは、15 + 1.5 × スターシップのTierに等しい。判定が成功した場合、乗員はこのラウンド中、2つのアクションを(通常はアクションするときに両方とも)することができるが、同じアクションを2回することはできない。 また、君は自分自身に対して指令を行なうことはできない。
感動的演説(任意のフェイズ)
12レベルに達すると、1つの戦闘フェイズ中に乗員に対して行なう感動的演説のアクションによって、<外交>判定を行なうことができる(DC = 20 + 1.5 × スターシップのTier)。これにはリゾルブ・ポイント1点を費やす必要がある。成功したなら、そのフェイズ中の君を除いた他の味方の乗員は、アクションを実行する際に2回ロールしてより良い方の結果を選ぶことができる。

エンジニア(Engineer)のアクション

エンジニアは、<エンジニアリング>技能のランクに応じた次のいずれかのアクションが実行できる。 これらのアクションは、技師フェイズでのみ実行できる。また、スターシップに乗っているエンジニアの数に関係なく、特に明記されてない限り、各アクションはラウンド毎に1回だけ実行できる。
迂回 (技師フェイズ)
補助動力を君のスターシップの装置の1つに迂回させることができる。これには<エンジニアリング>判定(DC = 10 + 1.5 × スターシップのTier)が必要となる。その結果は、この余剰動力をどこに送るかによって決まる。君がそれをエンジンに送るなら、君のスターシップの速度はこのラウンド中、2増加する。科学設備に送るなら、全てのサイエンス・オフィサーはこのラウンドの乗員アクションに+2のボーナスを得ることができる。君がスターシップの武器に送る場合は、このラウンド中にロールされたダメージダイスの出目が1のとき、代わりに2が出たものとして扱える。シールドに送る場合は、シールドの最大値までを上限に、スターシップのパワーコア(296p参照)のPCU定格の5%に相当するシールドポイントを復元する。 復元されたシールドポイントは4つの射界すべてに対して均等に分配する(端数が出たら前方射界のシールドポイントに割り振る)。
保守 (技師フェイズ)
常に修繕し続けることで、1つの装置を安定させることができる。<エンジニアリング>判定(DC = 15 + 1.5 × スターシップのTier)に成功した場合、1つの装置を選択することができる。その装置はこのラウンドの終了時まで、クリティカル状態を2段階、軽く扱うことができる(大破なら不具合となり、機能障害または不具合の場合、ダメージが無かったかのように機能する)。この判定は、パワーコアが受けているクリティカル状態によるペナルティによって修正されることはない。
修繕 (技師フェイズ)
クリティカル状態の影響を減らすため、装置を修繕することができる。装置を修繕するために必要なアクション数と<エンジニアリング>判定のDCは、下記の表に示されているように、装置がどれほど重大な損害を受けているかによって異なる。複数のエンジニアによってより速く修繕するため、1ラウンド中に各々が実施した修繕アクションの結果を適用することもできる。しかし、各エンジニアの修繕アクションによる<エンジニアリング>判定が成功しなければ修繕に貢献することはできない。また、DCを5ずつ増加させることで、必要とされるアクションの数を1減らすことができる(最小で1アクションまで)。この判定に成功した場合、クリティカルダメージの重大度が変更されるわけではないが、戦闘が終わるまでの間、または1時間が経過するか、装置が再び重大なダメージを受けるまで(新しい重大度が適用されて修繕が除去される)の間、クリティカル状態が軽減される。このアクションは1ラウンドに2回以上取ることができ、またこの判定はコアのクリティカル状態によって修正を受けることはない。
クリティカル状態必要な修繕回数DC
不具合110 + 1.5 × スターシップのTier
機能障害215 + 1.5 × スターシップのTier
大破320 + 1.5 × スターシップのTier
動力超過 (技師フェイズ, プッシュ)
君が<エンジニアリング>技能を6ランク以上持っている場合、リゾルブ・ポイント1点を費やし、<エンジニアリング>判定(DC = 15 + 1.5 × スターシップのTier)を試みることができる。成功した場合、君の船の装置から、さらなる動力を絞り出すことができる。これは迂回アクションと同等に機能するが、3箇所の装置に余剰動力を送ることができる。このアクションと迂回アクションは、同一ラウンドに行なうことができない。
緊急修理 (技師フェイズ)
君が<エンジニアリング>技能を12ランク以上持っている場合、リゾルブ・ポイント1点を費やし、<エンジニアリング>判定(DC = 20 + 1.5 × スターシップのTier)を試みることができる。成功したなら、装置を素早く修繕することができる。その場合、1つの装置からクリティカル状態を1時間除去できる(クリティカル状態など無かったかのように機能させる)。その後は通常通りに修復を必要とする。

ガンナー(Gunner)のアクション

ガンナーは、君のキャラクターレベルに応じた次のいずれかのアクションを実行できる。 これらのアクションは、砲撃フェイズでのみ実行できる。スターシップの各武器は1ラウンドに1回だけ発射することができ、また複数のガンナーによって1ラウンド中にそれぞれ異なる武器を使って発射することもできる。スターシップの武器による攻撃については、320pの攻撃ルールを使用する。
任意発砲 (砲撃フェイズ, プッシュ)
君はそのスターシップの武器が持つ射界にかかわらず、2つの武器を発射することができる。しかし、各攻撃には-4ペナルティを被る。
発射 (砲撃フェイズ)
君はスターシップに搭載された武器の1つを発射することができる。その武器が砲塔である場合、任意の射界にある船を目標とすることができる。
斉射 (砲撃フェイズ, プッシュ)
6レベルに達すると、1つの射界(砲塔に搭載された武器も含む)に搭載されているすべての武器を発射するため、リゾルブ・ポイント1点を費やすことができる。それにより各武器は、その射界の中にいるどのような船も目標にできる。しかし、これらのすべての攻撃には-2ペナルティを被る。
精密射撃 (砲撃フェイズ)
12レベルに達すると、リゾルブ・ポイント1点を費やすことで、1つの目標に対して1つの武器による非常に正確な射撃を行なって痛手を与えることができる。攻撃が命中し、目標となる敵船が持つ射界のシールドが失われた場合、君はランダムな装置にクリティカルを与える。その攻撃によって通常通りにクリティカルを与えた場合、それらも同様にクリティカルとして適用される(君の攻撃によってクリティカルが複数回処理される可能性があり、その都度、どの装置が正常かどうかを判断する必要がある)。

パイロット(Pilot)のアクション

パイロットは、<操縦>技能のランクに応じた次のいずれかのアクションが実行できる。これらのアクションは、操舵フェイズでのみ実行できる。
航行 (操舵フェイズ)
君はスターシップが持つ速度まで移動させ、その操縦性に応じた旋回をすることができる。これには技能判定を必要としない。
操縦 (操舵フェイズ)
君はスターシップが持つ速度まで移動させることができる。また、<操縦>判定(DC = 15 + 1.5 × スターシップのTier)に成功させることで、スターシップの旋回に必要な距離を1(0以上に)減らすことができる。
スタント (操舵フェイズ, プッシュ)
319pに記載されているスタントのいずれかを実行できる。必要な<操縦>判定のDCと、成功と失敗の結果は、各スタントの説明に記載されている。
全速力 (操舵フェイズ, プッシュ)
君が<操縦>技能を6ランク以上持っている場合、リゾルブ・ポイント1点を費やし、スターシップを1.5倍までの速度で移動させることができる。 この移動中に旋回することもできるが、旋回に必要な距離に2を加えなくてはならない。
果敢な先駆け (操舵フェイズ)
君が<操縦>技能を12ランク以上持っている場合、リゾルブ・ポイント1点を費やし、<操縦>判定(DC = 20 + 1.5 × スターシップのTier)を実行して、複雑な操縦の離れ業ができる。君のスターシップが持つ速度まで移動させることができ、旋回に必要な距離を2減らして(最小0)扱うことができる。加えて、敵の船が占めているヘクスを通過しても、フリーアタックを誘発することがない。そして君のスターシップは移動の最後に、好きな方向に旋回させておくことができる。判定に失敗した場合、航行アクションを実行したかのように移動する(ただしリゾルブ・ポイントは失われる)。

サイエンス・オフィサー(Science Officer)のアクション

サイエンスオフィサーは、<コンピュータ>技能のランクに応じた次のいずれかのアクションが実行できる。 これらのアクションは、操舵フェイズでのみ実行できる。
バランス (操舵フェイズ)
シールドのバランスを調整して、ある射界から別の射界へと動力の出力先を変更して異なる射界を保護することができる。<コンピュータ>判定(DC = 10 + 1.5 × スターシップのTier)に成功した場合、1つの射界にあるシールドポイント(SP)を別の射界のシールドへ移動させることができる(SP調整後、最低でも現在の全SPの10%がなくてはならない)。 あるいは、残っている全ての射界のSP合計を4つの射界に対して均等に再分配することもできる。このときに余ったSPは前方射界に対して割り振る。
スキャン (操舵フェイズ)
センサーでスターシップをスキャンして、そのスターシップの情報を知ることができる。このアクションを行なうには、スターシップにセンサーが必要となる(300p参照)。<コンピュータ>判定を行なう際には、スターシップのセンサーによる修正を適用する必要がある。この判定は技能に習熟していなくても行なうことができる。この判定のDCは、5 + 1.5 × スキャン対象のスターシップTier + 防衛システムからのボーナス(298p参照)に等しい。この判定に成功した場合、以下のリストの初めの情報を得る。判定の際のDCを 5 超過する毎に、あなたはさらなる未知の情報を得ることができる。その後の判定では、さらに新しい情報が明らかになり、このリストにある情報を順に得ることができる。
1.基本情報:生きている乗員、モデルの分類、サイズ、速度、操縦性。
2.防御:AC、TL、合計および現在のHP、各射界の合計および現在のSP、コアPCU値。
3.武器:1つの武器に関する情報;もっとも多くのPCUを使用するする武器から始め、その武器の対応射界とダメージが情報に含まれる。対象のスターシップの全ての武器が明らかになるまで、この 3.を繰り返す。
4.貨物:スターシップの拡張ベイがどのように割り当てられているか、加えてスターシップが運んでいる貨物があれば、それに関する情報。
5.その他:スターシップの残りの情報。
ターゲット・システム (操舵フェイズ, プッシュ)
スターシップのセンサーを使って敵のスターシップの特定の装置を標的にすることができる。このアクションを行なうには、スターシップにセンサーが必要となる。<コンピュータ>判定を行なう際には、スターシップのセンサーによる修正を適用する必要がある。この判定のDCは、5 + 1.5 × 敵船のスターシップTier + 防衛システムからのボーナス(298p参照)に等しい。この判定に成功した場合、1つの装置(パワーコア、エンジン、生命維持、センサー、武器)を選択する。君のスターシップの次の攻撃が敵船に命中すると、19または20の出目を出すことでクリティカルが発生する。攻撃がクリティカルになると、先ほど選択した装置に影響を及ぼす。攻撃の結果としてさらなるクリティカルが発生した場合、通常通りランダムに選ばれた装置に対して影響を与える。
君のスターシップのセンサーは、一度に特定の敵のスターシップが持つ1つの装置のみを目標にすることができるが、このアクションによって複数のスターシップの装置を同時に目標とするために使用しても良い。
ロックオン (操舵フェイズ, プッシュ)
君が<コンピュータ>技能を6ランク以上持っている場合、君のスターシップのターゲット・システムを1隻の敵船にロックすることができる。これには、リゾルブ・ポイント1点を費やして<コンピュータ>判定を試みる必要がある。この判定のDCは、5 + 1.5 × 目標のスターシップTier + 防衛システムからのボーナス(298p参照)に等しい。この判定に成功した場合、君のスターシップのガンナーはラウンド終了時まで、目標に対する砲撃判定に+2のボーナスを得る。このアクションは1ラウンドにつき1回しか実行することができない。
防御対策 (操舵フェイズ)
君が<コンピュータ>技能を12ランク以上持っている場合、リゾルブ・ポイント1点を費やして<コンピュータ>判定を試みることで、目標の敵の照準システムや発射物に対して妨害を仕掛けることができる。この判定のDCは、5 + 1.5 × 目標のスターシップTier + 防衛システムからのボーナス(298p参照)に等しい。この判定に成功した場合、目標のスターシップに乗っているガンナーは、このラウンド中に行なう砲撃判定を2回ロールして、より悪い方の結果を適用しなくてはならない(追尾武器の判定も含む)。

マイナー乗員アクション

マイナーな乗員アクションは、すべての役割を満たすのに必要とされる乗員がいない場合、スターシップの限定された機能によるコンピュータ支援で行なわれるアクションである(例えば、小型スターシップに乗っている唯一の乗員は常にパイロットとなるかもしれないが、 緊急時にはスターシップの武器の1つを発射するかも知れない)。 君は現在の役割にもかかわらずマイナーな乗員アクションをとることができるが、このラウンド中は、マイナーな乗員アクションに関連した役割について、他のアクションが行なわれていない場合に限る。 マイナーな乗員アクションは、ラウンドごとに1回しか実行できないが、君が実行するアクションとしてカウントされることはない。
グライド (操舵フェイズ, マイナー)
君はスターシップを半分の速度で移動させることができる。この移動中にスターシップを旋回させることもできるが、スターシップの旋回に必要な距離は2増加する。通常通りこのラウンド中、<操縦> 技能ランクをスターシップのACとTLに追加することができる。操舵フェイズ中(航行を含む)に、他のパイロットによる操縦が行なわれていない場合にのみ、このアクションを実行することができる。
スナップ・ショット (砲撃フェイズ, マイナー)
君は砲撃判定に-2ペナルティを加えて、君のスターシップの武器1つを発射することができる。 このアクションは、砲撃フェイズ中(スナップ・ショットを含む)に、他のガンナーによるアクションが行なわれていない場合にのみ実行できる。

DESIGNING STARSHIP ENCOUNTERS

From a simple skirmish against pirates to a massive fleet engagement, designing a fun and challenging space combat requires thoughtful planning and careful design on the part of the GM. A crew of PCs can’t simply spend their hard-earned credits to upgrade their starship between encounters as they could with ordinary gear. In addition, often due to the circumstances of the story, the characters might find themselves in a ship that is significantly more or less powerful than their Average Party Level might indicate. The GM needs to take these factors into account when deciding what sort of enemies the PCs will face.

Challenge

Combat between starships of equal tiers is more evenly matched than a fight between PCs and opponents of an equal CR. Usually, there is only one PC ship in the fight, containing the entire party. This means that if the battle is lost, the PCs might be taken captive or perish. As a result, starship combats where the PCs face off against a ship of equal tier and capability are very difficult. Most encounters should be against ships of a lower tier. Use the following table as a guideline.
Multiple Ships
If the PCs have more than one starship, use the highest-tier ship’s tier as a base and add 1 to this value for each additional starship within at least 2 tiers of that starship. If none are within 2 tiers, add up the tiers of all the additional starships and add 1 to the base value if the total is equals or exceeds the base starship’s tier. Use this modified value when determining the encounter’s difficulty.
If there are multiple enemy starships, treat every pair of enemy starships of the same tier as a single starship of the pair’s tier + 2 (and every trio as a single starship of the trio’s tier + 3). If there are a number of ships of different tiers, use the formula for multiple PC ships to determine the final difficulty. For example, if the enemy consists of three tier 1 starships, a tier 4 starship, and a tier 7 starship, the final result would be a tier 8 challenge.
Crew Level
Most starship combat encounters are between characters of roughly equal level and skill, regardless of the tier of the starships they are aboard. If there is a large level discrepancy between the combatants, adjust the difficulty of the encounter up or down a tier to compensate. In any case, combats between crews that are more than 4 levels apart should be avoided.
In general, the skill ranks of an NPC crew member are equal to the CR of the NPC or the tier of the enemy starship (minimum 1). To determine the skill modifiers of an NPC crew member, first decide whether the NPC has mastered the skill or is simply good at the skill. Usually, one crew member will be a master at one skill; the rest of the crew will have good skills. The skill modifier for a master skill is equal to 9 + 1-1/2 × the NPC’s ranks in the skill. The skill modifier for a good skill is equal to 4 + 1-1/2 × the NPC’s ranks in the skill. Alternatively, you can determine NPC skill ranks and modifiers using the master and good skill modifiers for the combatant array from the monster building rules in the Starfinder Alien Archive. Of course, if you have full stat blocks for the NPC crew members, you should use their actual skill ranks and modifiers.

Experience for Starship Combat

PCs should earn experience points (XP) for defeating enemy ships. To award XP, compare the difficulty of the encounter (see Challenge above) to Table 11–1: Encounter Difficulty on page 390 to find the Challenge Rating equivalent of the encounter. Look up the value of that CR on Table 11–3: Experience Point Awards (also on page 390) to find the party’s XP award for the encounter.
For example, suppose the PCs have an Average Party Level (APL) of 10 and are flying a tier 10 starship. They encounter and defeat a tier 9 enemy starship. As the enemy starship’s tier equals the PCs’ starship’s tier – 1, this was a challenging encounter. Looking at Table 11–1: Encounter Difficulty, a challenging encounter has a CR equivalent of APL + 1, making it a CR 11 encounter. The PCs should earn 12,800 XP total for the encounter.

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コアルール

3章:種族?

4章:クラス?

5章:技能?

6章:特技?

10章: 魔法と呪文?

11章:ゲームマスタリング?

13章: パスファインダーの遺産?


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  • 影響を与えたメディア?
  • 索引?
  • キャラクターシート?
  • スターシップシート?

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